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もしかして、自分は摂食障害かも?心配に思っている方は、簡単なセルフチェックをしてみましょう。
また、ご自身やご家族、身近な方も使える摂食障害に特徴的なサインをご紹介します。
ここでは摂食障害のうち、もっとも頻度の高い神経性やせ症と神経性過食症のサインをとりあげます。

セルフチェック

  • 体重・体型への関心が高い。
  • 太るのが怖い。
  • 食事の量を減らすことがある。
  • 自分でコントロールできずに、一度にたくさん食べてしまうことがある。
  • たくさん食べた後に、食べたものを吐いたり、食事を抜いたり、たくさん運動したりする。
  • やせている。
  • 周りからはやせているといわれるが自分ではそうは思わない。
  • カロリーや体重のことで頭がいっぱいになる。
  • 生理がこない、不順になった。
  • 手足が冷えやすい。
「セルフチェック」解説

神経性やせ症・神経性過食症の患者さんは、体重や体型、食事に強いこだわりを示します。それは単に「やせたい、太りたくない」と考える程度ではなく、ほぼ常に食事や体重のことが頭から離れなくなります。
例えば、
・太っていないかどうかを確認するために、何度も体重やウエストや腕まわりの長さを測ったり、鏡を見る。
・食べる量を減らしたり、ときには、食べたものをわざと吐きだしたり、下剤などをダイエット目的で使ったりすることがある。

しかし、食べる量が減っているからといって、食欲がないわけでも食べ物への関心がないわけでもありません。むしろ食べ物への関心は高く、レシピ本を読むのが好きで、たくさんお菓子を作って家族や友人にふるまうこともあります。また、一気に大量の食べ物を食べてしまい、自分ではそれをコントロールできないという「過食」を繰り返す患者さんもいます。過食の後には体重が増えるのが怖くなり食事を抜いたり食べたものを吐いたりします。食事を十分に摂らない状態が長く続くと、体重が標準値を下回ります。低体重を伴うことが神経性やせ症の特徴です。成人ではBMI(Body mass index)が18.5を下回る場合、“やせ”と判断されます。(18歳未満の場合は「子どもの摂食障害」を参照)。体重が減ってくると、生理が止まったり手足が冷えやすくなったりという体の変化もおこります。

どの程度なら病気といえるのか、あるいは病気ではないのかを自分で判断するのは難しいことです。正確な診断を受けるためには病院を受診することをお勧めします。なお、摂食障害の詳しい説明は「摂食障害はどんな病気?」も参照してください。

  • ※BMI(Body Mass Index)=体重(kg)/(身長(m))2

摂食障害に特徴的なサイン

1.体重に関するサイン

  • 急激に体重が減少する。
  • やせたり太ったりを繰り返す。
  • 体重が増えることを極端に怖がる。
  • 体重が減っているにもかかわらず、「太っている」といった言動がしばしばみられる。
  • 日のうちに何回も体重計に乗る。
  • だぶだぶの洋服を着る(体型を隠すため)。

2.食事に関するサイン

  • 食事に関して、形式的でこだわりの強い行動がみられる。
  • 食べる量が減る。
  • カロリーの低い食品(野菜、海藻など)を中心に食べる一方で、特定の食べ物(炭水化物、揚げ物、肉類、甘いものなど)を拒否する。
  • カロリーを厳密に計算する。
  • 食べ物を小さく切って食べる。
  • いつも決まった順番で食べる。
  • 皿の上の食べ物を並べ直す。
  • 食べ物を噛むだけで飲み込まないで吐きだす。
  • 買い物の時に、カロリーや成分などの表示をとても気にする。
  • いろいろな理由をつけて人と食事するのを避ける。
  • 全然食べていないにも関わらず、「お腹が空いていない」「食べている」と言う。
  • 食べ物がトイレ、流し、ごみ箱などに捨ててある。
  • 食べ過ぎた後に絶食している。
<過食のサイン>
  • 食べだすと止まらない。
  • あったはずの大量の食べ物が短期間のうちになくなった。
  • 大量の食べ物を自分の部屋に隠している(買いだめ)。
  • 食べ物を万引きする。
  • 食費がとてもかかる。

3.過活動のサイン

  • 悪天候や体調不良、怪我にもかかわらず、行き過ぎた厳しい運動メニューを組んで実践する。
  • 常に動き続けている。
  • 立っていることが多い。
  • 動き続けることや立ってばかりいることをやめるように言っても聞かない。

4.排出行動のサイン

  • 食事の後にしょっちゅうトイレに行く。
  • トイレや風呂で嘔吐物の臭いがする。
  • 下剤や利尿剤をため込んでいる。
  • 頬や顎あたりが不自然にはれている(嘔吐がひんぱんだと、唾液腺が腫れてきます)。
  • 手の甲に「たこ」ができている(手を口の奥に突っ込んで嘔吐をしているとできます)。
  • 虫歯、歯の変形・変色、知覚過敏、歯槽膿漏(嘔吐による胃酸の影響)

5.その他のサイン

  • 気分の浮き沈みが激しい。
  • 不安が強い。
  • いつもイライラしている。
  • 隠し事が多くなる。
  • 集中力や判断力が落ちる。
  • 普段の活動や友達づきあいが極端に減る。食事や過活動を中心とした一日の予定を組む。
  • 生理がとまる、不順になる。

神経性やせ症や神経性過食症は、生命の危機や体の重い障害と隣り合わせにある病気です。神経性やせ症も神経性過食症も、早く発見できるほど、治る可能性は高くなります。上記のようなサインに気づいたら、ぜひ心療内科や精神科、小児科に相談して下さい。

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